ソマティックへの関心
- さちこ たけもと
- 4月20日
- 読了時間: 2分
1月に、「認定ソマティック・サイコセラピスト養成トレーニング」に参加させていただきました。以前から、ソマティックエクスペリエンスですとか、センサリーモーターサイコセラピーといった。身体感覚にアプローチする技法に強い興味があったのですが、どちらも様々な覚悟がいるので、なかなか飛び込めずにいました。
トラウマを抱えた方にお会いしていると、記憶・感情・認知、だけでなく身体感覚や「身体の記憶」にも関心を向けざるを得なくなります。
少し話は飛びますが、とある専門学校で10年ほど「ホメオスタシス(免疫系・内分泌系・自律神経系・ストレス)」の講義をさせていただいていました。高校時代に生物を選択しなかった私は四苦八苦して講義資料を作成したものです。今、その講義の準備で勉強したことが私の中でつながりつつあります。
最近ポージェス博士が提唱された「ポリヴェーガル理論」が注目されています。外傷体験が自律神経系の発達に及ぼす影響をよく説明する理論です。まだまだ、さらなる神経学的な検証が必要だなと思う部分もありますが、腑に落ちる面が多い内容です。
それで最近「『身体がノーと言う時』(ガボール・マテ著)という本に出会いました。トラウマを理解しようとするとき、ポリヴェーガル理論による自律神経系への注目が集まっていますが、さらに免疫系や内分泌系に与える影響について、ストレスと病の関係について深い洞察を与えてくれました。特に印象的だったのは、自己犠牲や感情の抑圧といった「良い人間であろうとする」態度が、実はがんやALS、自己免疫疾患など、深刻な病気と関連している可能性があると述べられていること。小児期逆境体験(ACEs)の研究もこれを支持していますね。たとえば、幼少期に感情を安全に表現できなかった人々が、成人後に怒りを内に押し込め、結果として身体がそのストレスを抱え込むようになってしまう。著者はこれを「身体がノーを言ってくれている」と表現し、病そのものが心の叫びであると説いています。
病になったことが、その人のせいなのではありません。トラウマだけでなく、様々なメンタルの症状が「もう十分がんばってきたよね。そろそろ違う生き方も身につけてみない?」というメッセージを投げかけてくれているように思える瞬間が多々あり、非常に共感しました。
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